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「あ、さっきね
一磨に会ったよ♪
俳優やってる
みたいだよね」
「そうなんだ~」
みんなそれぞれ
がんばっているんだ
なのにあたしは
いまだに
拓巳を引きずって…
はあ…
成長してないなあ
入学式のあと
あたしは中庭にいた
ここの高校の中庭は
満開の桜がたくさんある
噂どおり
それはとても綺麗だった
生徒も何人か
桜の花びらに埋もれていた
「綺麗…」
桜の木を見上げていると
背後に大きな影を感じた
「だ、だれ…?」
振り向くと
あたしの身長を
はるかに追い越した彼が
懐かしいあの笑顔で
目の前に立っていた
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