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倒れた翌日、私はさっさっと退院し、病院を後にした。
まだ身体の傷が治りきっていないので、しばらくは家で安静にしているように医者には言われていたが、その次の日には学校に行った。
二年一組、教室
私が教室に入ると、静かだったクラスの中がいきなりどよめきだった。
私が倒れた事は担任の先生を通してクラス全員に知れわたっていたらしい。
皆が皆、私の方をみて陰口を叩いていた。
「あっれー?おかしいな?なんであいつきたの?」
「登校拒否になったんじゃなかったん?」
「え?死んだんじゃなかったの?」
「うん、私も死んだって聞いたよ。」
「じゃ、あれ幽霊?」
がやがやと喧しい。
私の席の上には花瓶が置かれていた。
何て言うか…お約束。
机の中には大量のゴミが入っていた。
これは予想外。
まぁ、「教科書に落書きをする」といういじめセオリーをあえてスルーしなくてはならなかったからだろうけど。
私は、教科書を毎日家に持って帰るからね…。
私は新しいいじめを目の前にしながら冷笑を浮かべる。
何と言うか、おかしい。
こんなくだらないいじめを必死になって行っているクラスの奴らはとても滑稽に見える。
先生にばれないように。
こそこそと。
花瓶置いたり、
ゴミ入れたり、
「死ね」とか、
「帰れ」とか、
「ブス」とか、
「キモい」とか、
ひそひそと囁いて…
心の底からおかしい。
おかしくて堪らない。
一日もあって出来ることがこれだけだなんて。
ショボイ、の一言につきる。
でもまぁ、だからといって机の中に虫など入れられていたら正直堪らなかったのでショボイ奴らに一応感謝をしておく。
「ありがとね。」
「はぁ!?」
私はおそらく主犯であろう愛理の肩を叩いて御礼を言った。
突然御礼を言われた愛理は訳がわからないと言った顔でムッとしている。
あぁ、無理して学校へ来たかいがあった。
その顔が見たいからこそ私は学校を休まず来ているのだ。
放課後も「楽しみ」だわ。
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