始まりの朝

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「なんて謝ろう……」 トイレを済ませた俺は、梨花姉さんになんて謝るかを考えていた。 完全に俺が悪いのに梨花姉さんが先に謝ってしまった。 「うぅ~困った」 「どうしたの?」 「桜かぁ」 一階の廊下で考えて事をしていた時に、御坂家の四女で俺の妹の御坂桜が心配そうに俺の顔を下から見ていた。 「お兄ちゃん、調子悪いの?」 「違うよ。ちょっと考えて事をしてたんだ」 「そうなんだ!良かった~」 桜は安堵のため息を吐いた。 そんな桜に、俺は頭を撫でてあげた。 「うにゅん~……」 可愛いらしい声を出しながら、目を細めていた。 桜って本当に猫っぽいよな。 「梨花姉さんって、今何してるの?」 さっきの事で梨花姉さんは申し訳ないことをしてしまった俺は、梨花姉さんに謝るために桜に梨花姉さんの場所を訊ねた。 「梨花お姉ちゃん?」 本当に可愛いらしく首を右に傾けながら、口に指を当てながらうぅ~と喉を鳴らしていた。
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