序章~2009~

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序章~2009~

 どんな時でも、他より少し早く花を咲かせる桜の樹々が立ち並ぶその坂道は、いつでも私たちを見守ってくれた。  その坂道の上に立つ学校で過ごした13歳から15歳の日々。  いろんな思い出が詰まったこの坂道を最後に下りた日から、もう十年近くたとうとしている。    闇の中、白い雪のように舞う桜の花を背に、この坂道を下りて行く彼(ひと)を何も言えずに見送ったあの日から・・・。
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