臆病

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道を歩いている青年 声を掛けるセールス 断り切れずについていく   自傷癖を自慢する少女 自閉症の少年に同情勝ち それで少女は満たされた   貴人を気取ってみせた女性 英国貴族の生活を知らず 毎日カップ麺でブランド漁り   永遠反抗期の中年男性 最近の若者は、が口癖 そんな彼は自称ちょい悪親父     臆病者の行列 止まるところを知らず 一定感覚で只増えゆく   臆病者の行進 留まるところを知らず 一定方向に只流れる     間に合ってますが言えない 向こうも重々承知 そのような相手を選んでいるのだから さながら草食動物 彼らの行き着く先は食い物に   少女は成長したら女性になる 腕や首に傷の有る女性に その時元少女は何を思うのだろうか 自閉症の青年は誰からも見つからなくなるのだろう 見付けようとする人はお話の中にしか存在しない   英国貴族はブランド品を漁らない 長く使える丈夫な服を纏い 何よりも満ち足りた生活を求める 毎回違う服の貴人気取りの女性は 満ち足りた生活を買っているのだろうか   貯めた金でバイクを買って 煩わしい音を立て夜を汚す彼らは 最近の若者の事を言う 最近の若者の口癖は 『将来アレにはなりたくないよな』     臆病者の行進 未だ列は増え続け 終に先が見えなくなった   臆病者の行列 一定の距離で流れる 誰もそれらを止められない
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