み串め…

50/53
前へ
/927ページ
次へ
   真っ赤になりながら、それでも寝子はうつむいたまま、消え入りそうな声で、俺に想いを伝えてきた。     「そうか。ごめんな?今まで、気づかないで…」     「…ほんとよぉ…」      そして、あたし寝子は一転、すがるような瞳の端に、光る物を溜め込みながら、俺の返事を待っている。      「…俺も。寝子の事は、憎からず思っている。まあ、その、いつものやり取りだって…      結構、気に入ってるし…さすがに、好きか嫌いかって言われると、いきなりだったから…      返事に困るが、少なくとも…嫌いでは、ない…」      俺は、真っ赤になりながら、そう言うのが精一杯だった。    
/927ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加