よん串め…

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   あたし寝子の視線を目の端に置きながら俺は一つ、うなずいて…      その容器の中から、みたらし団子をひと串持って食べ始める。      その瞬間、あたし寝子の表情が、これ以上ないくらいにクシャっと崩れて…      笑顔とも、泣き顔とも区別がつかない様になり…      その目の端には、じんわりと涙が浮かんで来ていて、今にも零れ出しそうだった。     (ここで、俺が何か一言、言うだけで…寝子は、本格的に泣き出すんだよな…)      それでも、俺はあえて…その言葉を口にした。      自らの立てた仮説を、立証する為に。     「…うん。中々に弾力があって、うまいぞ?」      そして、その結果。俺は、自分自身の立てた仮説が、間違っていなかった事を…証明したのだった。    
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