第一章

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俺、西園寺 創夜は大手企業の西園寺グループの社長の長男で、今、副社長として父のもとで経営について学んでいるところだ。 昔から父親の後を継ぐことは決まっていて、そのために勉強ばかりしてきた。 婚約者もいる。 いわゆる俺は親の決められたことだけをやって生きてきたのだ。 今まで一度だって道にそれたことなんてなかった。 というか今までそらされるほど興味をそそるものが周りになかったのだ。 全てが白黒で、同じもののように見えていた。 だがあの時彼女だけが俺の白黒の世界に一人カラーをもたらした。 誰よりも生気を感じなかったのに…。 誰よりも空気のようだったのに…。 気が付いたら車にひかれそうになった彼女を助けてしまった。
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