第一章 ~メール~

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プチテンシはすぐに見つかった。 ヨーヘイは、スイカからのプレゼントは机の引き出しに大事に収納している。 「こういうところは几帳面でよかった……」と、内心ホッとする。 ヨーヘイは改めて目の前のプチテンシを見た。 パッケージはキラキラしていて、目に悪い気がするほどなのに、中の本体は不思議な美しさがあった。 ヨーヘイはあの時すでにケータイを所持していたので、このプチテンシは開けることはせず、大事に保存していたのだ。 箱から本体を取り出してみる。 感触は新品のケータイそのものだった。 本物のケータイの分厚い説明書よりも、三分の一ほどしかない薄い説明書を読んでみる。 まずは、プロフィールとメールアドレスの設定からである。 ヨーヘイはプチテンシの電源を入れる。 いかにも本物のケータイらしく、待受画面やメニュー画面が表示されていた。 メニューにはメールやゲーム、ミュージックのコンテンツがあった。 さすがに電話やインターネットの機能はないようだ。 カメラまで付いているが、果たして意味はあるのだろうか。 説明書のメールの項目を開いてみる。
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