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パッケージには『PETITENSHI~プチテンシ~』と書かれていた。
どうやらこのおもちゃ、いくつか種類があるらしく、カラーが『パールホワイト』となっていた。
価格は5980円。
中々お高い代物のようだ。
何故『プチエンジェル』ではなく、わざわざ日本語読みで『プチテンシ』にしたのだろうか。
考えれば考えるほど、謎が深まる一方なので、ヨーヘイは思考を無理矢理停止させた。
「ていうか、何でチョコじゃなくてコレなんだ?」
「あ、いや……、ほら、人には向き不向きってものがあるでしょ。」
スイカは朝から夕方にかけて、チョコと格闘していたそうで、最終的には材料が無くなってしまい、仕方なく家にあった、このおもちゃのケータイを持ってきたのだと言う。
「本当にぶきっちょだなスイカは。」
ヨーヘイは話を聞き終えると、大きな声で笑った。
「怒らないの……?」
「約束したじゃないか。文句言わないって。」
ヨーヘイはチョコが苦手だったので、この結果でも悪くないように思えたのだ。
「ありがとうスイカ。大切に使うよ。」
「よかった。」
そういうと、スイカは満面の笑みを浮かべたのだった。
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