第一章 ~メール~

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今日は、その忌まわしき日から一ヶ月。 ヨーヘイとアキラは、駅の東口に設置された献花台の前で足を止めた。 献花台には数々の花や、ジュース、ぬいぐるみ等が供えられていた。 アキラは手にしていた犬のぬいぐるみを、献花台にそっと置いた。 ヨーヘイもそれに続いてチューリップの花束を、まるで誰かに手渡すかのように静かに置いた。 「なあヨーヘイ、お前とスイカちゃんの思い出の品とかないのか……?」 アキラは胸の前で手を合わせたまま、ヨーヘイに聞いた。 「どうだろうな。」 ヨーヘイは、スイカがこの世からいなくなった事がまだ信じられなかった。 そのため、どうしても彼女との思い出を手放したくなかったのだ。 それに加え、手を合わせるような事や、墓参りなどは一切やらなかった。 スイカは生きている。 そう思える何かにすがりたい。 そのような気持ちを、アキラに言っても、返ってくる言葉はわかっていた。 自分の気持ちに素直になれない。 それほど、彼女の存在は大きかったのだ。 「そういやお前、バレンタインに貰ったアレは?」
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