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武闘場に入っても尚、侑士の
表情は涼しいものだった。そ
して、一言呟き、フッと笑う
。
「─なんや、大して強そうな
奴らなんておらへんやん…」
─────ドサッ
一人の男が倒れた。周囲で見
ていた者達がざわめき始める
。その者達の視線は、倒れた
男を涼しげに見下ろす、一人
の青年に向けられていた。
「…勝者、忍足!」
審判も驚いた様子で、声をあ
げていた。倒れた男が悔しそ
うに拳を強く握り締め、青年
を見上げる。
「クソ…っ、お前…どうして
そんなに強いんだ…!?俺は
この試験を受ける者で最も強
いと言われていたのに…!」
青年は答えた。
「そんなん知らん。アンタは
、体格だけや。勢いだけで勝
負しようとしとるし。そんな
んで俺に勝てるわけ、あらへ
んねん。自惚れんな」
「………ッ!!」
「さ、…次は誰や?」
そうして、侑士は次々に相手
を倒していった。
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