9/12
前へ
/27ページ
次へ
 侑士が受けている試験。  それは、王家の人間にとって  最も身近である存在──護衛  の採用試験なのである。それ  故、王家の身を守るための武  力が最重要視されるのだ。  「…審判。続きを始めよ」  「は!…それでは、次の者、  前へ」  「…では、以上で試験を終了  する。勝ち残った3人の者以  外は全員不合格だ。三人はこ  こに残るように!」  “余裕やったな”  侑士は試験に合格する事が出  来た。合格した者は侑士の他  にあと二人いる。侑士とは違  う村の者だ。  「─合格者の三人。明日、護  衛任命の式がある。その説明  を今からするから、よく聞い  ておくように。」  先程まで審判をしていた男の  説明を聞きながら、侑士はチ  ラリと王と王子が居た方を伺  う。しかし、そこにはもう彼  らは居なかった。  「…父様」  「何だ?景吾」  城の通路。突然、景吾が王に  声をかける。  「質問があるのですが」  「何だ?言ってみなさい」  
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加