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「─どうして、護衛が三人も
必要なのです?」
「何を言う。大事な息子には
、これぐらいの護衛がいても
らわねば心配なのだよ、私は
。…それに、お前はもう大人
になる。となると、当然城の
外へ出て行く機会も増える…
……わかるか?」
「王家の人間を殺そうとする
輩がいるかもしれない、と」
「ああ、そうだ。…まあ、基
本的には一番実力のある一人
に全てを任せておこうとは思
っている。その方が、お前も
落ち着いて勉学などにも励め
るだろうしな」
「……父様」
「何だ?」
「──父様には、俺の命が、
大切ですか?」
「…フ、何を言っている。当
然だろう、そんな事」
「…すみません、突然。変な
事を聞いてしまって。では、
俺は部屋に帰ってもう眠りま
す…おやすみなさい」
王は知らない。自分の命は大
切なのか、と問う景吾の瞳に
闇がかかっていることを。
“──だったら……”
“どうして、民の命は大切に
しねぇんだよ…!!”
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