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国王の荒々しい政治は続く。
誰も王に逆らう事は許されな
い。例え、それが愛する家族
であっても、だ。もし王に逆
らうような事があれば───
それは、死を意味していた。
国王には絶対服従、逆らった
者は即死刑。これが国におい
ての絶対事項だったのだ。
ただ、時としてそれだけでは
済まされない事もあった。国
王の機嫌が悪い時は、逆らっ
た者だけでなく、その者の愛
する者や地域の者まで皆処刑
される事もあったという。
不満を募らせる王子は、何も
する事が出来ずただただ、実
の父の残虐な行いを見ている
事しか出来なかった。
…王子の心に、静かに闇がか
かっていった。
誰もが皆、運命の歯車に逆ら
う事も許されぬまま、翻弄さ
れて生きてゆく。
この物語もまた、逆らう事の
許されぬ運命によって巡り会
った、王子と1人の男の物語
である───…
【月明かりよ、どうか】
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