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「──────…し!侑士!
起きろ言うとるやろ!」
「……………」
「アカンわ…全く起きる気配
あらへんし…。余裕かましす
ぎやろ、こんな日に…」
「こらこら!甘いんだよ謙也
は!しょうがないから俺が盛
大に起こしてやるぜ☆」
早朝。裕福ではない─むしろ
、貧しいと言っても過言では
ない環境の村。その村にある
、とある一件の家で、眠って
いる青年が一人。そして、そ
れを囲む青年が二人。
「盛大に、って…岳人、まさ
か自分…っ」
岳人、と呼ばれた青年(と言
っても見た目は少年だが)は
眠っている青年─侑士の耳元
に口を寄せる。もう一人の青
年─謙也は嫌な予感がして止
めようとしたが、もう遅い。
「侑士ィィィィ!!起きろォ
ォォォ────っ!!!」
謙也は「あーあ、やってもう
た…」と小さく呟いた。
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