【rainbow butterfly 1】

3/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「や、やあ」 「やあ!」 意味のわからん事、口ばしってしまった。 けど臆さないなこいつ・・・。 後ろに組んでた手を、片手だけ、空高く上げやがった。 仕方ないか。まだガキだし? ふっ、と溜息をつくと、俺は 膝を抱え込み座り直した。 とにかく突き飛ばされたはいいが、地べたに足広げて投げ出されたままなんてカッコわりぃ。 ・・・あいつ、覚えてろよ・・・。 ココロの中で毒づき、でも目の前のこいつには笑って見せた。 「おまえ、なんでこんなとこにいるワケ?」 いわゆる体育座りをしながら、膝に顎を乗せ、 ゆらゆらとからだを揺すった。 こいつはまた後ろに手を組み、俺をのぞきこんでくる。 「・・・だって、ココ私のお家だもん」 言いながら指さした先は、まさしくこいつの家だった。 いや。 そういう意味じゃ・・・。 って。やべぇ。 なんだってこいつと口聞いて・・ってその前に、俺が見えるって言うし・・・。 う~ん・・・と頭をフル回転させながら唸った俺に、 「お兄ちゃん、カッコいいね!」 ははは・・・ 何言ってんだかこいつは。 「お兄ちゃんがなんでここにいるか知らないけど、パパに見つかったら怒られるよ?」 あ・・・。言い終わらないうちに、父親らしき男の太い声が耳に入ってきた。 俺の耳は、とってもイイのだ~! と、フザけてる場合じゃねぇ。 事をこれ以上大きくしないっと。 「ぉ~・・・い」 「お兄ちゃん、ほら、パパが!」 父親の方へ顔を向ける。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!