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「はい」
「・・・はい・・・?」
手渡されたのは、一冊の紙の束。
というか、なんつうか・・・。
何十枚もあるA5サイズの白い紙を、その左上にでかいクリップでただ留めてあるだけのモノ。
まあとにかく、これには今月の俺の仕事に関して書いてあるわけで。
毎月、俺と同じやつらはそれぞれにこれを渡されて、また散っていく。
だから仲間といえども、月一でしか会わないし。
はぁ・・・。
なんかまた重くなってるよコレ。
汚れたモノかのように見つめてしまう。
タイトル:Bクラス
・・・B・・・
「溜息が多いんじゃないか?」
細めた眼が俺を貫く。
ひぃ・・・。
「めっそうもない・・・」
「ならいいが、おまえ?」
トントン、と真っ赤な長い爪を持ったこの女性が、本を指す。
「いい加減、Bは、ナイよな?」
「ですね・・・」
ははは、と愛想笑うと、この女性。冷たい眼差しです。
目でヒトを殺せそうです・・・。
「頑張ります・・・」
「ゼヒそうしろ」
コクンと頷きながら、手は俺をシッシッと追いやる。
はあ。
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