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ほんとやだ。
なんでこんな仕事につく事になったんだ。
もっとすっきりさっぱりすると思ってたのに。
いやだぁぁぁぁああ・・・
「おい」
「俺はおいじゃねえ」
頭を抱え込んだ俺に、おい呼ばわりするのはあいつしかいねえ。
「じゃあなんて呼べば?」
「名前なんていいだろが」
「おまえが溜息ばっかりつくから皆の士気が落ちる」
ちろ。
とそいつを見ると、やっぱりだ。
Aクラスのトップ。
「なにか用・・・?」
「べつに。用はないけどね」
・・・はい?
睨むと、そいつはケンカをふっかけてるわけじゃない、と、
両手を頭まであげて降参ポーズをした。
「あの話は知ってる。でもキミばっかりが辛いワケじゃない・・・それだけ」
「・・・ハッ」
さよですか。
ほんとにそれだけ言うと、そいつはクルリと踵を返し、歩いて行った。
黒い短髪。
黒で統一された服を好む、
まさにこの仕事にうってつけの男。
Aクラス・・・。
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