最新のゲーム

10/12
前へ
/245ページ
次へ
「どうだ?…驚いたろ?」 カジが俺に向かってニカッと笑顔を向ける。 「…ああ。」 「どうだ?やってみたくてワクワクしてこないか?」 「っ……」 俺は、カジの言葉に息を詰まらせたが、確かにワクワクしていた。 丁度その時だった。 ゲームセンターの中から電灯の明かりが灯り、俺達は驚いてその方向を見る。 店の中からメガネをかけたオールバックの男が現れる。 ゲームセンターの中にいる事と、そのゲームセンターの制服だと分かる黄色いシャツから、その男は店員だと容易に想像出来た。 その男は、自動ドアのロックを外すと、店から出てきて、俺達の眺めていた張り紙を指差しながら俺達に向かって呟く。 「エントリー済みですか?」 「あ、いえ…まだ…」 「エントリーはしたいんですけど。」 そのぐぐもった声が少し怖いと感じながら、俺はとっさに返事をしていた。 カジは俺の言葉に付け足しをしてくれた。 すると男は、手をひらひらさせて中に入れと指示する。 俺達は顔を見合わせ、戸惑いながらもそれに従う。 俺達は男に誘導されるがままにそのゲームセンターの奥へと進む。 ゲームセンターの奥、右端にあるエレベーターに乗り込むと、その男は丁度リモコンに似た機械をポケットから取り出し、そこにあったたった一つの赤いボタンを押す。 すると、エレベーターは勝手に動き始め、ドアの上にある表示には、エレベーターのボタンにはないB1と表示され、ドアが開いた。
/245ページ

最初のコメントを投稿しよう!

385人が本棚に入れています
本棚に追加