385人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の部屋から出るとすぐに階段だ。
その階段を駆け下り、右に曲がると玄関。
玄関の扉を開けると、見慣れた幼なじみがすぐ目の前に立っている。
短髪の髪に、日焼けでこんがり焼けた肌、さわやか系の整った顔立ち。少しだけたれ目気味で優しそうに見える。
まず俺は、その小学一年生からの幼なじみ、梶原 大輝(カジワラダイキ)、通称カジを一睨みする。
とは言っても、俺の身長は172cm、カジは186cmもある。
しかも痩せ形の俺と、ガッチリした体格のカジ
睨みを効かせた所で効果はない。
カジは嫌みをたっぷり含んだ笑顔を俺に向けている。
「おはよう、春治。」
「用があんならメールして来いよ。なんで直接来たんだよ?」
俺は腕を組んでさっき以上にカジを睨む。
「メールしてもお前、どうせ寝てんじゃん?」
カジは悪いとも思ってないかのように明るい声だ。
俺はため息をついて、カジを睨むのを止め、欠伸をしながら尋ねる。
「要件は?」
するとカジは、思い出したように右手の人差し指を、顔の前あたりでピンと立てる。
「ああそうだ、早く支度しろ。面白いモノ見せてやるよ!」
「はあ?訳わかんねぇ。」
俺は欠伸交じりに答えるが、カジに急かされ、とりあえず着替える為に部屋に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!