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部屋に戻る途中、階段の陰から覗いていた夏美が話しかけてきた。 妹は階段の、俺の一段上から話しかけているが、目線は俺と同じくらい。 妹は152cmの身長に、華奢な体。それから、身長に似合わず大人っぽい顔つきで地毛が茶色っぽく、栗色の長い髪。 「ねぇねぇ、カジさん何の用だったの?」 「よくわかんねぇけど、支度して来いだと。」 俺はそう答え、自分の部屋へと急いだ。 夏美は、幼い時からカジの事が好きだった。 俺と同じ高校に受験し、今年俺が二年生になると同時に入学してきたのだが、カジと同じ高校に入りたくて入学してきたのは明白だった。 …けど、カジは気付いてないんだよなぁ、これが。 俺はそんな事を考えながらタンスから適当に白いTシャツとGパンを掴み取り、寝巻きからそれに着替える。 携帯電話と財布をGパンの後ろのポケットに突っ込み、ネックレスを大量にしまってある箱からお気に入りのネックレスを取り出し身につけると、洗面所に向かい、顔を洗う。 それから手のひらに愛用のワックスを塗り、髪型をいつものウルフヘアにセットする。 これが休日の俺の"朝の支度"。まぁ、出掛ける時の話だけど。 高校入学と同時に使い始めたワックス。最初は手間取ってたけど最近は手慣れたよな…なんて考えてるうちにセット完了。 俺は自分の顔をチェックする。 …童顔だなぁ。ちょっとコンプレックスでもある。 色白で、目はやや細め。 …人を待たせてる訳だし、あまり長い間ここにいる訳にもいかないな… 俺は玄関に戻る。
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