～七色の天使～どうせなら虹になりたい。

災い転じて

俺が質問しようとしたその時、雅彦が続けた。

『いいか、落ち着いて良く聞いてくれよ・・』

ホテルを睨み付けながら、雅彦は言った。

『実はバイト中に、見たんだよ』

『見たって？何を・・・』

『美里ちゃんが、中年男とホテルに入って行ったんだよ』

雅彦は、溜め息混じりにそう言うと、気が抜けたようにその場に座り込んでしまった。