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沈黙…
気まずい雰囲気が流れる医務室の扉が開けられる。
カイザー「お、目覚めてたかレイス」
カイザーが手に果物が入った籠を持って入ってきた。
レイス「果物とは…またベタな見舞い品だな」
カイザー「うるせー、お前にはやらん。クリスちゃんにだ」
レイス「へぇへぇ。手厳しいこった」
レイスは手を肩の高さでブラブラさせながら言う。
カイザー「そうだ。今回の任務でライザ=ルーツの二つ名が変更だ。ほとんど呼ぶことはなかったが、明日からは【水の指揮者】改め【氷原の水女神(ヒョウゲンノミズメガミ)】を名乗ってくれ」
ライザ「はい!」
カイザー「さて、ライザくんの正式なSランク昇格祝いだ!お前ら二人でラセードの舞踏会行ってこい!『強制転移』!」
レイス「おいま……」
カイザーはレイスとライザに紙袋を一つずつ投げ渡すと、有無を言わせず強制転移させた。
カイザー「もう半年もないんだ。
今はまだ楽しんでおけよ…」
カイザーはそう呟くと、静かに眠るクリスの枕元に籠を置き、ゆっくりと医務室を出て行った。
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