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空港を出てタクシー乗り場へ。
タクシー乗り場までは専用の通路が通っており、前の便で到着した観光客がちらほら歩いている。
「シェンシュンさぁん」
耕助が後ろから大きく手を振って追いかけ来た。
「ひどいじゃないですか、私を置いていくなんて」
「遊び人にかまっている暇はない」
定秋は冷たく突き放す。
「私がただの遊び人に見えますか?」
耕助は一枚のSDカードをちらりと見せた。
(やはり、子守よりもたちが悪い)
「あのべっぴんさん、中国系のCIAッスよね」
「それで、そのカードはどうした」
「一発ぶたれたんで、その代金として頂戴してきやした」
耕助は笑いながら言った。
「気づかないッスか、至る所にハリウッド級の役者が揃ってるッスよ」
(確かに、カップルに紛れて各国特務機関、はてはマフィアまで見知った顔がいくつもある。
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