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「ほう、人探しかい」
「ええ。
ある古い友人の子供を探しているんです」
定秋は説明した。
「私でよければ協力するよ」
「ありがとうございます。
あの、この少女に見覚えはありやせんか?」
耕助は暁の写った写真を運転手に渡した。
「う~ん、ここらじゃ見ない顔だな。
まあ、こんな美人一回見たら二度と忘れないさ」
運転手は写真を返した。
「運転手さんはこの仕事長いんすか?」
耕助が聞いた。
「そいだなぁ、かれこれ7年はやっているよ」
「そうッスか」
「ところでお客さんどちらまで?」
「クラウンホテルまでお願いします」
定秋は言った。
「はいよ」
タクシーは夜の街に吸い込まれていった。
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