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都心の一等地に門を構えるクラウンホテルはあのミニュランから3ツ星を貰った、高級ホテルだ。
タクシーはホテルの入り口に停車した。
「いやぁ、こんなホテルに泊まるなんてうらやましいよ」
「いえ、経費で落ちますから。
そうだ、料金はドルでもかまいませんか?」
「ああ、別にいいよ」
定秋は50ドルを運転手に渡した。
「釣りはいりませんから」
耕助はそう言ってタクシーから降りた。
「そうですか、ありがとうございます。
そうだ、旦那。
これサービスです」
運転手は定秋達に生春巻きを一本ずつ渡した。
ハムとエビを巻いた生春巻きは周りを包装紙で包まれている。
(わざわざ面倒なことを)
「ありがとうございます」
定秋は頭を下げた。
「では、またのご利用を」
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