黒い十字架

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僕は君が好きで 君が僕に振り向かない事はすでに分かっていたのに 世話好きの君は優しくて… つい甘えていたんじゃないかと 今になれば思う でも、その手の温もり その優しさを 自分のものにしたくて キスをした… 何度も、何度も 君が拒わない事をいい事に 幾度も重ねた唇 もしかしたら君が僕の事を好きでいてくれたのじゃないかと 思いながら… でも 拒む事が出来なかったんじゃないかとも 思うけど 過ちを正当化する訳でも 悔いる訳でもない でも 現実におきた出来事に少し浮かれてた 度々寄せる肌の距離とは裏腹に 君と僕の距離は前より 遠くなってた事にも気付けずに… 君を縛ってしまった 黒い十字架に手足を杭打たれた 天使の様に 僕は迷うその姿に このまま自分の物にしてしまおうか それとも助けて この関係から解放しようか… 天使を目の前に 僕は悪魔になったのだろうか? それとも… 分からない何かが僕を掻き回す 運命に目をまどろませながら
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