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「私、新選組に居るのが楽しかったんです。壊したくなかった」
「そりゃよかった。総司は毎日びくびくしてたぜ。君が居なくなるんじゃねえかってな」
前を行く土方の髪が風になびいた。
「あの血まみれになって帰って来た日、本当は此所へ戻って来るつもり無かったんだろ」
みつは何も言わなかった。
「でも、総司に行くなって言われて揺らいだんだ。」
そう、出て行くと決め込んだ堅い決心が
いつもなら揺らがなかったはずだ。
だが、あまりにも新選組の居心地が良かったから
一人では無く、新選組を選んだ
「良かったんじゃねえか?君の判断は間違っちゃいなかったんだ。大丈夫さ」
土方は歩くのを止めた。
気が付くと新選組の門が目の前に有り、みつを歓迎しているようだった。
そして土方はみつを見下ろすと優しく笑った。
「おかえり」
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