一章

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女はびくりと肩を跳ねさせ、構えた。 ――なになに!この小動物みたいな 反射的に女に抱き付いた。 女は唖然として固まった。 「可愛い過ぎじゃん!どっから来たの?なんで居んの?良く此所に入れたね!どうやって入ったの?」 「あの、えーっと…」 腕の中で考えをまとめていると後ろから声がした。 随分と聞き慣れた声。 「こら、平助。帰って来て早々何やってる、離さないか!」 眉間にしわを寄せた永倉だった。 「女性に抱き付く等、不謹慎にも程があるぞ」 「げっ新八!だってこの娘可愛いじゃんか!はっはーん、自分は抱き付けないからって焼きもち焼いてんじゃないの」 「違う!」 「あーそっか、この娘じゃなくて、歩さっ…!」 げんこつが頭に振り下ろされる。
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