一章

6/20
前へ
/463ページ
次へ
「改めまして、藤堂平助でーす。よろしくね、みっちゃん」 藤堂は正面に正座するみつに握手を求め手を伸したが、原田にはたきおとされた。 すかさず原田を睨む藤堂。 「何すんだよ!左之」 「みっちゃん、何しても良いからコイツにだけは近寄るなよ!コイツは女ったらしなんだ。近寄ったら何するか分かんねえから、絶っ対」 「そこまで言わなくても良いじゃん!女好きは男の性でしょ。左之は男が好きだっけ?」 「違ぁーう!俺も女好き…って何言わせてんだ!誤解すんだろ!あの、みっちゃん…男は好きじゃなくて…もちろん女の人のほうが好き…え?何言ってんだ、俺」 はっと我に返った原田はみつに言い訳を始めた。 「自爆してんじゃん。俺のせいじゃないし」 笑いを噛み殺しながら藤堂は言った。 「平助、あんまり左之助で遊ぶな。頭の中の収拾がつけられてない」 「俺のせい?」 「他に誰がいる」 「そうだ!お前のせいだ!」 「何だよ、皆して俺をいじめるんだ。もう良い、腹減った。飯食べ行こー」
/463ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4989人が本棚に入れています
本棚に追加