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藤堂はそう言い残すと、その場から去って行った。
「アイツ帰って来て気が休まった事、一度もねぇや」
「平助も悪気は無いんだ。許してやってくれるかな、おみつさん」
みつは申し訳なさそうに溜め息を吐く永倉をなだめた。
「分かりました。だからそう落ち込まないでください。明るい方じゃないですか」
「ありがとう。おみつさんだけだよ、そう言ってくれるの。」
永倉はゆっくりと立ち上がると、藤堂が去って行った方向を見つめた。
「あれでも八番隊組長なんだ。腕は立つし、やることはきっちりやる。皆に認められて組長に着いた、良い奴なんだ。女好きを抜いたらだがね」
「そ、俺もそれは認めるぜ。けど、やっぱり重度の女好きがなー…」
頭を抱え溜め息を吐く原田を永倉は見た。
「そういう事なんだ。だから気をつけて、また今みたいにやられるかもしれない」
そう言うと永倉も去って行った。
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