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「ただいま、歩さん」
藤堂は台所に着いていた。
「あら、おかえり。ええ時に帰って来たね。そろそろお昼にしよ思ってたんよ」
大きな包丁を軽々と扱っている歩。
藤堂は歩の横に近付いた。
「あの娘何者?」
「あの娘っておみつちゃんの事?」
うんうん
藤堂は頷いた。
「もう会ったん。ええ娘やに。とても働き者やしね、気のきく娘」
「それは分かるよ。じゃなくてさ、何者なの?」
歩はきょとんとした表情になったが、すぐに微笑んだ。
「本人に聞いた方が早いよ。ねぇ?おみつちゃん」
と言うと、後ろの襖が開いた。
気配を感じさせずに入って来たのはみつだった。
藤堂はそんなみつにたじろく。
「何でしょうか?」
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