4989人が本棚に入れています
本棚に追加
「あーあ。俺の周りって普通の女いないよな」
「知らねえよ。わざわざ俺んとこ来て言う言葉か?」
「うん。左之、女っ気ないし。たまには聞きたいでしょ?」
「聞きたくねえな。人の失恋話なんて」
藤堂はむっと頬を膨らませた。
「失恋じゃない!失礼な」
藤堂が次に向かったのは道場だった。
お昼時に近付くにつれて、みつと歩が忙しなく台所を行き来し、構ってくれなくなった。
それをつまらなく思った藤堂は原田を探した。
そして辿り着いた場所が道場。
今は槍の稽古をしている原田を胡座をかきながら見ている。
「此所も男ばっかだし。つまんない」
「暇してんなら稽古にでも付き合えよ」
「やだね。野郎となんかとやりたくない。あっ、みっちゃんとだったら良いなぁ。刀扱えるらしいし」
「みっちゃんは忙しいんだよ」
「知ってるよ。ついでに忍だって事も」
最初のコメントを投稿しよう!