一章

11/20
前へ
/463ページ
次へ
「びっくりだなぁ、忍だったなんて。そうじゃなきゃ新選組には入れないんだけど」 伸びをして立ち上がった。 ちょうど上には木刀が並べてかけられている。 「綺麗だし、俺好みだし」 藤堂は原田をちらりと伺った。 何くわぬ顔で稽古を続ける原田だが、少し様子がおかしい。 「あんな美人いないよなぁ」 ――お?珍しい… ここで一押し さらりと木刀を撫でた。 「俺頑張ろっかなぁ」 「今何て…」 それを聞くと原田は手を止め藤堂を見た。 と同時に藤堂は木刀を片手で掴み、原田の顔に切先を突き立てた。 そしてにやりと笑う。 「結構本気って事。鈍いなぁ」
/463ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4989人が本棚に入れています
本棚に追加