一章

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――それで十分だ 今がずっと続けば… 藤堂は構えた。 「うじうじ、うじうじ女の尻追っかけ回してるお前に俺が倒んのか?」 挑発気味に槍を軽やかに扱う原田は、鼻で笑った。 「あんね、俺はやる男なの。少なくとも、お前みたいな好きな人に、好きの一つも言えない奴には負けないね」 「ぐっ、言えねえんじゃねえ!言わねえんだ!!」 「好きなんだー、みっちゃんの事」 ――知ってたけどね 「何でそれを…じゃねえ!ばっ、馬っ鹿野郎!!みっちゃんなんて、いつ俺がそんな事言ったんだよ!」 「言わなくても分かるの、態度に出し過ぎだから」 「…は、はん!お前みたいに女好きに言われたかねえな!」 ――無理矢理、話変えたな ま、好都合だけどね 「あーそれだ、それそれ。俺ね、やめるやら」
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