五章

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      「寂しかったんだね。俺わかるよ、そいつの気持ち。」 地面に座り込んだ藤堂は儚げに言った。 「愛した人が突然いなくなると、愛しい心が増すんだよね。そいつもきっとそうだったんだ」 愛しい人を忘れようと、幾度も夜を紡いだ。 それでも忘れられない事は分かっていたはずなのに。 「愛しくて愛しくて、幻なのか、本当なのか分かんなくなる。」 自分がそうであったように。 「愛されてるって事だね」 「幽霊にまで…すごいな!みっちゃん」 「そう言う事なんでしょうか?」 この二人と話しているとどこか話がずれる、とみつは確信した。 「何騒いでやがんだ」
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