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「寂しかったんだね。俺わかるよ、そいつの気持ち。」
地面に座り込んだ藤堂は儚げに言った。
「愛した人が突然いなくなると、愛しい心が増すんだよね。そいつもきっとそうだったんだ」
愛しい人を忘れようと、幾度も夜を紡いだ。
それでも忘れられない事は分かっていたはずなのに。
「愛しくて愛しくて、幻なのか、本当なのか分かんなくなる。」
自分がそうであったように。
「愛されてるって事だね」
「幽霊にまで…すごいな!みっちゃん」
「そう言う事なんでしょうか?」
この二人と話しているとどこか話がずれる、とみつは確信した。
「何騒いでやがんだ」
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