五章

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      「もしかして、熱がぶり返したんじゃ…」 そう言って土方はみつの前髪をかきあげ、額に手を当てた。 びくりと身体を強ばらし、目をつむる。 いきなりだったという事もあるのか、心臓の音が高鳴った。 土方の大きな手のひらが、みつの小さな額を覆う。 手のひらはひんやり気持ち良い。 だが、それがどんなに気持ち良くても今の状態では、休むにも休めない。 「ん、熱はなさそうだ」 「あ」 ゆっくりと離れるその手が名残惜しい。 もっと触れていて欲しい。 そう思うのはどうしてだろうか? 「君は病み上がりだ。無茶しちゃいけねえ。」 そう優しく囁いてくれる土方が、いつも側にいてくれれば良いのに。 だが、そんな囁かな時間はもろくも崩れ去って行く。
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