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「もしかして、熱がぶり返したんじゃ…」
そう言って土方はみつの前髪をかきあげ、額に手を当てた。
びくりと身体を強ばらし、目をつむる。
いきなりだったという事もあるのか、心臓の音が高鳴った。
土方の大きな手のひらが、みつの小さな額を覆う。
手のひらはひんやり気持ち良い。
だが、それがどんなに気持ち良くても今の状態では、休むにも休めない。
「ん、熱はなさそうだ」
「あ」
ゆっくりと離れるその手が名残惜しい。
もっと触れていて欲しい。
そう思うのはどうしてだろうか?
「君は病み上がりだ。無茶しちゃいけねえ。」
そう優しく囁いてくれる土方が、いつも側にいてくれれば良いのに。
だが、そんな囁かな時間はもろくも崩れ去って行く。
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