一章

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      ――いや 『みっちゃん』 ―――言わないで 『俺が死んだら』 ――――そんな事 『泣いてくれる?』 ――聞きたくない 『俺のためだけに』 「はは、はっ…泣いてくれた」 「喋らないでください!」 これ以上、紅を見たくないと思った。 非情な周りの景色は彼の命が消えるのを静かに待つ。 「やっぱり…っ……げほっ」 瞳の光が消えたのは遠の昔。 「みんなと…いっしょ…が…はっ……良かっ……た」 終わりはとても脆い。 そして、唐突過ぎる。
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