一章

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      空は晴れていた。 朝は好きだ。 朝の空気は格別おいしい。 それと、あの人と会える確率が高い。 朝の空気がおいしいと思えるのは、その人のおかげかもしれない。 朝の匂いとあの人の匂いは、似ているから。 そりゃ、どっちが好き?って聞かれたら、真っ先にあの人って答えるよ。 当たり前じゃん。 あの人に惹かれない訳がない。 魅力に惹き込まれたのは俺だけじゃない。 左之や総司や山崎や市村、そして土方副長もそう。 あの人達は彼女が愛しすぎて手を出さない。 土方副長に関しては、鈍感過ぎて自分の感情に未だ気付いていないし。 それより、あの人は忙しい人だ。 普段でも会えないのに、探すとますます会えない。 だから余計に惹き込まれる。
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