一章

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      「あなたに言われたくないですよ。副長に軽く逆らうあなたに…。それこそ生意気です」 「逆らってないよ。ちょっと目線をあげて会話してるだけ」 さも当たり前かのように話す藤堂に山崎は呆れた。 「……いつか刺されますよ。今のうちに覚悟なさっておいたほうがよろしいでしょう」 山崎は再び書物に目を戻した。 その横顔の美しい事。 通った鼻にすらりとした瞳。 土方や沖田に並ぶぐらい美しい。 ――まぁ俺には適わないけどね 「…藤堂さん、さっきから視線を感じるのですが…。何か用があって来たのではないですか?」 「まぁね。用がなかったらこんな所来ないよ」 はぁ… 山崎の生返事は藤堂には聞こえていない。 「最近、何でみっちゃんと一緒なわけ?俺聞いてない」
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