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今度ははっきりと聞こえた声に鳥肌が立つ。
藤堂は言い終わると、みつの腰と顎に手を移し口付けをした。
目を丸くして驚いたみつは逃れる事すら忘れた。
だがそれは徐々に深みを増していく。
深く、深く。
酸素を求め口を開と舌を絡め取られてしまう。
今度は二人の荒い息だけが響いた。
細く見えてもやはり藤堂も男。
いくら押し離そうとしても、びくともしない。
苦しい。
息ができない。
逃げたい。
でも…苦しいのは、
逃げたいのは、
―――誰?
薄れゆく意識の中でみつは、静かに涙を流す誰かを見た。
見慣れているはずなのに、どこか違った誰かを。
みつは息をする事すら忘れ意識を失った。
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