―死の尊厳―

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時々、肝臓の働きが悪くなり 意識障害を起こしたりする事が多くなった。 宣告を受けてから、3ヶ月目の事だった。 余命2ヶ月と言われていたけれど、 ママは、頑張ってくれていた。 両腕や手の甲からは、無数の点滴のチューブが伸びていた。 私の事を、何方ですか? と言う様な顔をして、見つめる時もあった。 何とも言い難い…気持ちだった。 けれど、パパの話しにだけは 反応を示してくれていた。 ママは、段々私を忘れて行く…… パパでいっぱいになって行く…… 私は、心が壊れ行く音が…聞こえた気がした。
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