夏と休みと特訓と……

70/81
前へ
/1156ページ
次へ
ポフンと音をたてて小さく煙がネルビを包んだ。 「ネルビ、もう……限界」 小さな黒い蝙(コウモリ)がメギドの手のうえに乗っていた。 メギドはそれを摘んで左肩の上に乗っけた。 「よく頑張ったな。兄貴に代わって褒めてやるよ」 「メギドに、褒められても、嬉しくない……」 「そうかよ」 メギドはネルビに向かって一度微笑んでから叶らへと向き直った。 右手を軽く上へと振るって叶らの目の前に狼牙を放った。 「ネルビの言った通りだ。死が怖いなら帰れ。死を受け止められるのなら俺達と進め。 これが最後の、本当で最後の忠告だ」 メギドは叶らの反応を待った。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加