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ポフンと音をたてて小さく煙がネルビを包んだ。
「ネルビ、もう……限界」
小さな黒い蝙(コウモリ)がメギドの手のうえに乗っていた。
メギドはそれを摘んで左肩の上に乗っけた。
「よく頑張ったな。兄貴に代わって褒めてやるよ」
「メギドに、褒められても、嬉しくない……」
「そうかよ」
メギドはネルビに向かって一度微笑んでから叶らへと向き直った。
右手を軽く上へと振るって叶らの目の前に狼牙を放った。
「ネルビの言った通りだ。死が怖いなら帰れ。死を受け止められるのなら俺達と進め。
これが最後の、本当で最後の忠告だ」
メギドは叶らの反応を待った。
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