夏と休みと特訓と……

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それを見て、ふん……、と鼻を鳴らす。 「これに恋して、これを愛すなんて正気の沙汰とは思わないわぁ。私はこれを汚れと思い、穢れと呼ぶ。これを世界の汚点だと思い、私はそれを浄化する。 私は世界のためを思い動いているのよ?」 それを狂気を孕み、狂喜に塗れた狂った蒼い瞳。蒼に無理矢理染められたドス黒い禍々しいナニカ。 歪みに歪んだ常人のそれに比にならないそれは正しく魔性。力に匹敵するただの気迫にも満たない感情の一つ。 「流石、は……人、でなしね」 「玩具は持ち主に遊ばれていればいいのよ」 柱に巻き付いた鎖を掴んだ。
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