夏と休みと特訓と……

80/81
前へ
/1156ページ
次へ
そして、そこに飛鳥様が朝城からの依頼で転入していらっしゃって、全ての歯車が動きだしました。 私は朝城本家に呼び戻され、あの日がやってきました。 それは涼恭様が完全に用済みとされてしまった日。 あの時の心は死ぬまで忘れるつもりはありません。 主人の痛みを従者が知らないわけにはいきません。 今も私の胸に残るこの痛みは私への咎めです。罪であり、罰です。 私は二度と涼恭様を裏切りません。それは制約であり、誓約。破ると私にもそれ相応のものが下ります。 もちろん、場合によっては死を。 貴方様のご命令は必ず守ります。 自身の命のためなどではありません。 もう貴方様に、あんな哀しげな表情はしてほしくないのです。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加