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八月二十五日明朝──
『櫻都彩陽学園』の校庭には数人の影があった。
真夏のこともあり、まだ午前五時前という時間にも関わらず、太陽の光が地面よりも上の部分から漏れている。
出発時間は午前五時ジャストということになっているので、もう半刻もしない内に全てが始まる。
すでに全員が揃っている。
一対の蒼剣を腰に差し、蒼い大剣を背負った叶。服装は一見私服と大差なく見える黒いズボンに白いTシャツ、そして黒のジャケット。
もちろんただの私服などではないが、未だ戦場ではないこの場においてはさほど変わりないだろう。
「あと二分」
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