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「私はまだ何か言えるほど皆をよく知らんからな」
紗耶香が自身の武器である長刀を手に持ちながら言った。服装はいつもの改造着物で、腰にはもう一本長刀が差されている。
「兄貴の命令っつうんなら俺らが止める理由はねえな」
「主人、基本的……ただ、しい」
メギドとネルビが最後にそう答えた。ネルビは黒い浴衣を纏っている。
「満場一致。なんだ、聞く意味なかったのね」
「皆様のご配慮感謝致します」
ぺこりと一礼する。
飛鳥の右手が淡い紫の光を放つ。軽く右手を振るうとそれに呼応するかのように一瞬楓の身体が同じく紫色の光に包まれた。
「持っていくものがあるなら出して」
「……これを」
『──』
楓が取り出したものに皆は絶句する。
それは、黒と白で一対となる双銃と黒い大鎌だった。
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