最終決戦・序

8/72
前へ
/1156ページ
次へ
「兄貴はそこまで本気なんだな」 メギドがポツリと漏らした。 それは確かに皆に聞こえていた。 「それってどういう──」 飛鳥が訊ねようとしたまさにその瞬間に、鈍くもあり甲高くもある巨大な門の開く音が校庭中に響き渡った。 だが、それは校庭より外には響かなかった。何かに阻まれたかのように音はそこで止まった。 「五時ジャストだ」 深矢が左腕に巻いた腕時計を見て呟く。 世界がその部分のみ一時的に書き替えられる。校庭の中心の世界が湾曲し、別のものへと作り替えられる。 「これが黄泉の門だ」 巨大な門が校庭の中心にそびえ立っていた。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加