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「兄貴はそこまで本気なんだな」
メギドがポツリと漏らした。
それは確かに皆に聞こえていた。
「それってどういう──」
飛鳥が訊ねようとしたまさにその瞬間に、鈍くもあり甲高くもある巨大な門の開く音が校庭中に響き渡った。
だが、それは校庭より外には響かなかった。何かに阻まれたかのように音はそこで止まった。
「五時ジャストだ」
深矢が左腕に巻いた腕時計を見て呟く。
世界がその部分のみ一時的に書き替えられる。校庭の中心の世界が湾曲し、別のものへと作り替えられる。
「これが黄泉の門だ」
巨大な門が校庭の中心にそびえ立っていた。
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