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「うだうだしてんのは気に食わねえ」
大剣を門へと向ける。その大剣に魔力を込める。
「これで十分だろ。──ハァッ!!」
軽い突きが魔力を纏い、斬撃として門を穿った。
門が開く。
「温ィ」
バルドはそう吐き捨ててから門の中へと消えた。
「依頼主、先に行っておくぞ」
門が閉まり切る少し前にディルクはそうアリスに言い残し、門上部の目をその紅い瞳で睨み付けた。
「ふん。容易い」
門はもう一度開き、ディルクを飲み込んだ。ディルクが消えると同時に門は鈍い地響きを上げて、完全に閉じた。
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